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蟻と風
昨晩、M3を撮り切った。
早速、朝、起きてから洗濯をしてから準備を始めた。いい天気だ。

まぁ、一本撮れるかどうかといった所かなと思いながら、
IIIaを引っぱり出し、Summarを外し、Summaritを付ける。
5cm外付けファインダーも。
一本のみカットしてフィルム(125PX)を装填する。

肩からぶら下げてみる。
重い。この、Summarit、重いわー。
しかし、絞り羽根を見ていると、すげーとか思ってしまう。
フードも大げさだけれど、こう、ずっしりしていると、
なにか写りそうな気がしてくる。
多分、このレンズの中には・・・なんて。
でも、気分って大事なんだなぁと、今、思う。

Summarit、
しっかり、このレンズに向き合ってなかったので、使いたかった。
最近、Elmarばかりだったので。

さて、今日はどこへ散歩するか。
とりあえず、近くの公園にするか。
午前9時半。

露出計を出して測る。
やはり・・・。
結構あるよな。

日向で、
露出をf11の1/200にセットする。
日向では撮らない事を決めごとにした。

歩いて行くと、だれともすれ違わない。
お盆か。自宅そばの駐車場に車が殆どないのはそのせいかなと。

公園に着くと、広場は・・・だれもいない・・・。
この暑さと日差しだ。
木陰に入る。おっ、光が柔らかくなって、過ごしやすい。
気に入ったものを見つけ、シャドウに露出を合わせたカットと、
二段絞ったものを撮り続ける。
夏の日陰と、冬の日陰は露出が違うという、当たり前な事に気づいた。

木の幹に光が入り込んでいて、いいなと思い、
バルナックの小さいファインダーでピントを合わせて、撮る。
今度は縦位置でと構える。

どこからか、息づかいが・・・。

「ハァ、ハァ、ハァ」
合間を縫って、「チャッ、チャッ、チャッ」



そして、音は更に激しく・・・。
「ハッ、ハッ、ハッ」「トッ、トッ、トッ、トッ」

トッ!

腰の当たりにドッ!

ファインダーをのぞいていた私も一瞬、
「うわっ」と声を上げてしまった。

どかっ!
どかっ!
と、足にぶつかって来る。
なんだ?なんだ?

下を見ると・・・。赤いリーダーをぶら下げた、ワンコ。

私を見てはドカッと、突っ込んできては、じゃれて来る。
このぉ〜と、しゃがんで、なでようとしたら、
向こうから、若い男性が、走って来て、
「すみませんー。こらっ、だめ!」とワンコに怒っている。

「いいんですよ、私、犬好きですからー」
と、言いながらなでてやると、
男性は、はにかんで「さっ、行くよ」と、会釈して行った。

ワンコはこっちに後ろ髪を引かれるようにリードを引っぱられ去って行った。
なんともびっくりしたが、かわいかった。
まだ、若いワンコかなと。

そのあと、公園を歩いていると、
ホームレスらしき人が木陰で座り込んで新聞を読んでいる。
こっちをじーっと見ているので、会釈だけする。
そのあともじーっと見て来る。

さらに反対側に回ると、
さっきのワンコがお母さんと娘さんの二人にかまってもらっていた。
このワンコ、すっごい、好奇心旺盛。
2〜3歳の女の子に興味津々。女の子は怖々。
お母さんがなでてやると、すっごい勢いで抱きついていた。
まだ、子供だそうな。

公園を後にして、歩いてさらに遠出する事にした。
すでにカウンターは20だ。

大きな道を渡り、全く行った事のない所へ入って行く。
公園があった。

3人の子供たちとお父さん、お母さんが砂遊びをしていた。
水道から、ペットボトルに水を入れダムを作っている。
水道で顔を洗おうと子供たちと一緒に並ぶ。
途中、割り込みをする、将来、有望な?子供がお父さんに引き止められる。
「だめ!順番、順番だよ。」
「だー、あー」何言っているか、わからんが。笑
「すみませんね。」とお父さん。
「ははは、いえいえ、こちらこそ。」

顔をざぶっと洗う。
気持ちいいー。

ベンチで、一休みしていると、「蟻」が腕に登って来た。
振り払わず、じっーと見てみる。
黒いからだ、黒い頭部。
触覚と、歯。足が止まること無く動いている。
必死に触覚を動かして、腕を登ってくる。
少しくすぐったかったが、見つめてみた。
何を見つめているのか。何を探しているのか。

そんな、小さな、小さな蟻を見ていると、
すごい。と、思った。

彼もイキテイル。

手に移し替えて、地面に戻す。
すると、再び同じ行動を繰り返している。
あっち行ったり、こっち行ったり。
彼はハタライテイル。

・・・。
なんだ、私の悩みなんて、この蟻に比べたら、
大したこと無いと思えた。
蟻の方が大変じゃないのかって。

4、5枚撮って、「お邪魔しましたー」と後にすると、
お母さんが、「いえ〜、すみませんでしたー」と。

更に奥へ。地図を見ると、お、神社がある。
すぐそばだ。

曲がると、
あらー。
この暑さには、命がけな坂(笑)が、立ちはだかったが、
行ってみる価値はありそうな森が見えるので、
引き返してなるものかと。笑

入り口から入って見ると、結構広い。
「あー、ここ良い感じ」と思わず声を出してしまう。
森が広がっていて、木漏れ日が一杯あって、奥には公園。
ちょっと高い所に神社。
この雰囲気。良い感じ。
一組の親子がいるだけだが、かなり離れている。

良いなと思うところをパチパチ撮っていると、
あっと言う間に30を超してしまった。
あらー。失敗。もう一本持ってくれば良かったかな。
ま、また来ればいいかと、神社を後にする。
でも、同じものは二度と撮れないけれど。

レバーを倒し、巻き上げをしながなら帰途へ。
歩いていると、すーっとした「風」が流れて行く。
夏は確実に過ぎ去ろうとしている。

楽しかったな。

追記;夕方5時半から、再度この神社へ。今度はSummarで。
さて、今晩は現像か、プリントか。
by kasime | 2008-08-13 13:58 | 日記 | Trackback | Comments(0)
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